春の訪れを感じる暖かな陽気の中、令和7年3月22日(土)・23日(日)の2日間にわたり、小学生ソフトボールの6年生にとって最後の大舞台となる「小学生連合交流ソフトボール大会」が、那須塩原市・三和住宅にしなすのスポーツプラザにて開催されました。
この大会は、12月の「黒羽大会」、2月の「U12太田オープン」に続く、6年生連合チームによる恒例の交流大会であり、ALL GUNMAにとっては、もしこの大会を制すれば念願の“3冠達成”という大きな節目を迎える重要な大会でもありました。
大会当日は、両日ともに気温が20度を超える春らしい晴天に恵まれ、選手たちは最高のコンディションの中で熱戦を繰り広げました。
初戦の相手は、今大会が初参加となる「下野パッシオーネ」。このチームは、栃木県の学童チーム「下野ガールズ」の卒団生たちが中心となり、「中学でもこのメンバーで一緒に続けていきたい!」という思いから立ち上げた、栃木県で2番目となる新設の中学生クラブチームです。
4月から本格始動するこのフレッシュなチームに対し、ALL GUNMAは、これまで積み重ねてきた4か月間の連携と経験を発揮。3号ボールでの試合経験の差が如実に現れ、終始リードを保ちつつ、盤石の内容で勝利しました。
下野パッシオーネの今後の成長にも大いに期待したいところです。きっと近い将来、またクラブチームの舞台で再戦する日が来ることでしょう。
続く第2試合は、今大会でも注目の対戦となった埼玉選抜チームとの一戦。今回はさまざまな事情により1チームでの参加となりましたが、メンバーの多くは前回大会で実績のある「埼玉プリンセス」の選手たちが主体となっており、油断できない強敵です。
試合は序盤に先制を許す苦しい展開となりましたが、3回に四球と小技に長打が続き、見事に逆転。しかし、その後も相手の激しい反撃にさらされ、接戦が続きました。それでも最後まで粘り強く守り抜き、逃げ切りで勝利。なんとか一つポイントの一戦を掴みました。
大会1日目最後の試合となる3戦目は、これまで対戦経験のなかったチームが相手。黒羽大会には出場していたものの、ALL GUNMAとは対戦しておらず、また太田オープンには不参加だったため、今回が初対決となりました。
相手チームのこれまでの成績を見ても、侮れない力を持つチームとあって、選手たちは慎重に試合へ入りました。しかし、ふたを開けてみれば、ALL GUNMAは毎回のように得点を重ね、終始主導権を握る展開で快勝。安定した守備と力強い打撃が光る内容でした。
1日目を終えての暫定順位は、4試合を戦い全勝の「那須連合」が1位。ALL GUNMAは3試合全勝で2位につけ、迎える2日目に大きな期待がかかる展開となりました。
果たしてALL GUNMAは、黒羽大会、太田オープンに続き、この大会を制して栄光の“3冠”を手にできるのか——。最終日の戦いからも目が離せません。
迎えた大会2日目、最初の対戦相手は、全勝同士の大一番となる「那須連合」。この試合が、事実上の決勝戦とも言える注目カードでした。過去の黒羽大会・太田オープンではALL GUNMAが那須連合に大差で勝利していましたが、この大会では急激にチーム力を高め、なんとALL GUNMAの最大のライバル・黒羽SBC_U12を破っての勢いある全勝進出。まさに絶好調のチームです。
ALL GUNMAも当然、エースを先発に送り、勝負に挑みました。しかし試合の立ち上がり、先頭打者にヒットを許すと、3番打者にタイムリースリーベースを浴び、さらに守備のミスも重なって、いきなり2点を失う苦しい展開に。
それでもその裏、相手投手が制球に苦しむ中、1安打で3点を奪う逆転劇を見せ、すぐさま試合をひっくり返しました。その後は一進一退の投手戦が続き、4対2でリードしたまま最終回へ。
ところが2アウトランナー無しという理想的な展開から、まさかの展開が待っていました。9番打者に執念のツーベース、続く1番打者にデッドボール、そして2番打者は内野ゴロ…かと思いきや、名手ショートのまさかの失策で満塁に。押し寄せるプレッシャーの中、次の3番打者を打ち取ったかに見えたものの、再びショートゴロの処理ミスでファースト送球が間に合わず1点差。しかもエラーだった為2塁ランナーも隙をついてホームを狙う展開に。
しかしここは一塁手が冷静に対応し、ホームに送球、見事な捕手のタッチアウトでゲームセット!手に汗握る攻防の末、辛くも勝利を収め、全勝を守りました。
とはいえ、エースの球に本来の切れがなく、本人は否定するものの、疲労の色が見える状態。また、打線も勢いがなく、安打数は激減。チーム全体がやや重い雰囲気に包まれながら、次の試合へ向かいます。
2戦目の相手は、長年の好敵手「黒羽SBC_U12」。お互いに6年生チームの指導スタッフが変わらず関係性も深く、何度もぶつかってきたライバル同士の対決です。「打倒群馬」を掲げる黒羽は、群馬に対して並々ならぬ闘志を燃やしており、毎回接戦になる好カード。
今回も黒羽のエースが素晴らしい投球を見せる中、試合は序盤に動きました。ALL GUNMAのエースが懸念していたとおり、四球2つと内野安打で満塁にされ、そこから押し出しの四球、さらにヒットと犠牲フライで一挙3失点。
反撃したいALL GUNMAは、4番打者のランニングホームランで1点を返すものの、あとが続かず、悔しい敗戦となりました。今回の対戦は、黒羽エースの気迫のピッチングと、ノーエラーの固い守備に完敗でした。
この結果により、那須連合とALL GUNMAはともに1敗で並ぶ形に。優勝の行方は最終戦へと持ち越されました。
試合結果
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | R | H | E | 勝敗 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
黒羽ソフトボールクラブ | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 6 | x | Win |
ALL GUNMA | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 4 | 1 | Loss |
最終戦を前に、優勝の条件は厳しいものでした。勝ち点で並んだ場合、まずは総失点が少ないチームが優勝。現時点でALL GUNMAは那須連合より1点少ないものの、その次の条件である総得点では5点ビハインド。つまり、無失点で7点以上の勝利が必要という厳しい条件です。
さらに、エースの疲労を考慮してこの試合では登板させず、これまで控えであった選手をスタメン起用。二塁手の主力選手も負傷で欠場という中、「みんなで乗り越えるしかない」という、まさにチーム力が問われる一戦となりました。
相手はこれまでの対戦で負けなしの「FIVE STARS」。優勝をかけて、子どもたちの気迫あふれるプレーが続出しました。
試合は、守備陣がファインプレーを連発。2番手投手は安定した「打たせて取る」投球でテンポよくアウトを重ねます。そして打線がついに爆発!4本のホームランを含む17安打で14得点という、圧倒的な攻撃力を見せつけ、最終戦を文句なしの内容で締めくくりました。
そしてもうひとつ朗報が!並行して行われていた試合で、埼玉選抜が那須連合に勝利。これにより勝ち点で単独トップとなったALL GUNMAが、堂々の初・3冠達成を果たしました!
指導陣としては、これだけの結果を出した選手たちを、自信をもって中学校へ送り出せます。
保護者の皆様も、ここまでの小学校ソフトボール生活の送迎やサポート、本当にお疲れ様でした。最後の最後に、子どもたちの輝く姿を目にして、きっと報われた思いだったのではないでしょうか。
また、栃木県・埼玉県の選手たちも非常に力のある子ばかりで、中学校ソフトボールの現状としては群馬県がやや後れを取っているのが現実です。それでも、ALL GUNMAをはじめ、今後も切磋琢磨して必ず追いつき、追い越していく決意です。中体連の大会でとか、クラブチームの大会でとかで、また再開するのを楽しみにしています。
最後になりましたが、今大会を無事に開催・運営してくださいました那須塩原市ソフトボール協会の皆様、そしてこの約5カ月間、対戦してくださったすべてのチームの皆様に、心より感謝申し上げます。














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